■私立中学校受験に向けて
 「自学自習」勉強するクセ付け

■自分で学び、自分で習おうとするクセ付けが重要

中学校受験をするしないに関わらず重要なのが、勉強するクセ付けが備わるか否
かだと思います。


■時代の変化を感じることが重要

リーマンブラザーズ破綻に端を発した未曾有の経済危機。大学生、高校生の就職
状況を検証すると時代が大きく変わったことに気が付きます。もはや、有名大学
を卒業したから、有名企業に就職出来る時代ではありません。また、運良く有名
企業に就職できたとしても、過去のような年功序列、定年まで勤務出来る時代で
もありません。

就職活動(就活)における企業側(採用担当)は、どのような視点で学生を見て
いるのでしょうか?。即戦力になりうる能力、「問題可決能力」「コミュニケー
ション能力」が備わっているか否か、を見ています。自分で考え、自分で 行動計
画を立て、行動出来る。そのような人材を求めているのです。


■マニュアル時代を生きてきた両親

社会の状況がこのように変化してきていることに気付かないといけません。気付
くと同時に、どのようにすれば時代に対応出来る子どもに育てられるかというこ
とを考えないといけません。


コンビニ、ファーストフード等々、様々な窓口。テレビやパソコン等の電化製品
全てがマニュアルがないと立ち行かないような時代です。マニュアルと違った事
象が発生すると、直ちに思考が停止し、「どうしたらいいか」がわからなくなり
右往左往してパニック状態に・・・・。こんな経験は、日常茶飯事かもしれませ
ん。マニュアルが重要なのを否定するつもりは、毛頭ありません。反対に、マニ
ュアルの出来不出来で、製品価値やサービス価値が左右されるのも事実です。が
、それに頼り切った思考が問題なのです。


■小学校低学年(1年生〜3年生)が重要

自学自習、自分で考えられる子どもに育てるには、どうすれば良いのか?を具体
的に考えましょう。

昔から我が国では、こう言われてきました。「読み書きそろばん」が、重要だと。
小学校低学年では、読み、書き=国語、そろばん=算数ですね。「読み」で重要
のは、本(教科書でも、その他の本でも)を読む力を身に付ける。また、文章
(題)を、理解(イメージ)する力を身に付けることです。「書き」は、上手に
書ければ最高ですが、そうでなく上手に書こうとする意識、丁寧に書こうとする
意識が重要です。またこの段階では「書く事が嫌いにならない」ようにすること
も大切です。「そろばん」ですが、「計算」を確実にする力を身につけさせまし
ょう。計算そのものを速くすることは、低学年のうちは必要ありません。それは
高学年になってからでも、充分に見付けさせることは可能です。


■さらに重要なこととして

「読み書きそろばん」が、重要だということに加えて、「創造性」と「コミュニ
ケーション能力」が、最近では重要だと思います。「創造性」とは、イメージす
る力であり、発想する力だと言えます。例えば、事件や事故を起こしたら、自分
の将来はどうなるのか?といったことや、良い友達をつくればどうなるのか?
反対に、悪い友達と交わればどうなるのか?等々、身近で考えても良いかもしれ
せん。「コミュニケーション能力」とは、「駆け引きを身に付ける」ことかもし
れません。 最近、独りで遊ぶことの多くなったことが原因かもしれませんが、今
の子どもには苦手のように見えます。それは、集団で遊びながら、遊びを通じて
社会的なルールを学ぶことから会得出来るのだと思います。


■どうすれば??

では私立中学校受験に成功する「自学自習」勉強のクセを身に付ける方法を考
えてみます。それには、過去に「成功した出来る子ども」を見習うことが 一番
の近道です。数多くの出来る子どもを見てきて、共通することは、「ノート」
の活用の仕方です。それも「出来ない帳(復習帳)」の活用なのです。授業で
わからなかった(理解出来なかった)ことを書き留めたり、試験で出来なかっ
た箇所を書き留めたりしていくのです。出来なかった点が出来るようになれば
、それを消して行く(消しゴムで消すではなく、線で消す取り消し線)のです
。そうすることにより自分自身がどこが苦手なのか、また、先生に質問する際
も、どこまで理解しているのか、どこからがわからないのか等々が容易にわか
ります。
女の子の一部には、ノートを綺麗に飾ること(カラー蛍光ペンでデコレートす
る等)に集中する場合もありますが、黒・赤・青の三色で充分なのです。ご両
親は、低学年のうちに、そんなノートの活用方法を教えてあげれば良いと思い
ます。所謂(いわゆる)「わからないところが、わからない」状態が致命傷に
なる前に、自学自習のクセをつけることが重要なのです。

e-お受験 黒田官兵衛筆
文責 木下 健藏