2009年の入試を振り返って
2009年が終わろうとしています。今年は経済不況と言われて、その影響を受け生徒さんの出足は遅かったのですが、秋には例年以上の年長さんが集まり、大変忙しい年でした。特に9月10月の個別レッスンの多さは例年にない様子でした。出足が遅い分、後半の追い込みが多かったのだと思います。本来なら4月からあるいは1年前から、受験準備をというのが常識ですが、やはり夏前に始めた生徒さんがいました。熱意と信頼に基づき最後まで諦めずにご家庭と私で二人三脚でした。
受験スケジュールは入試に慣れるためにと、万が一のために複数受験を勧めています。たとえ御兄弟の受験でも、第一志望の学校の前に受験をしておくと親子共々練習になります。複数合格の時に、お断りをするのは大変つらいことなのですが、どんなことが起こるか分からないので仕方ありません。今年は新型インフルエンザが流行で防ぐ方法もなく、大変健康に気を遣いました。そのような思わぬ病気のアクシデントのためにも、複数の受験を考える必要がありました。幸い、インフルエンザで受験を断念という生徒は出ませんでしたが、面接日を変更してもらう方はいました。そのようなわけで、受験を無事できるかということだけでも、本当に冷や冷やの年でした。
そんな中で淑徳小合格は淑徳小内部進学を含む19名の合格者が出ました。合格者は今までで一番の多数になります。淑徳オープンテストを3回も8月から行い、外部の生徒さんを含めて毎回20名前後の受験者があり、テストの傾向を学習したり受験者の中での位置がどのくらいかということも分かり、対策になったのではと思っています。毎回、オープンテストで振るわなかった生徒さんには、最後までアドバイスを行いました。どうしても行きたいという気持ちと、入試前日まで頑張ろうという私とご家庭の共通の意志はやはり願いをかなえる事の原動力でした。
遅いスタートの方、早いスタートの方両方います。どちらも大切なのはピークを11月にもっていくということです。11月というより第一志望の試験日にもっていくと言った方がよいのかもしれません。どんなに早い準備をしていても、当日に当人が実力を発揮できなければ仕方ありません。当日にピークを、ということは最後まで集団でのレッスンで勢いをつけ加速して輝かせることです。お母様にとっては試験の直前まで忙しく、体力的にもきついのですが、頑張り通すことです。迷わず、客観的な評価を受け続けてアドバイスを最後まで真摯に受け止め、受験日を迎える事です。
それでも結果は実力通りにならないこともあるかもしれません。合格できないのはどうしてなんだろうと、と毎年首を傾けることはあるのです。でも必ず報われます。人生どこかで報われます。この受験を肯定して、前向きに暮らして頂きたいと思います。
とはいえ、今年も幼稚園・私立小学校皆さん100パーセント合格でした。本当に良かったと思います。国立小のみの受験の方は抽選に阻まれる事もあり、思うように進みませんでした。それが残念です。受験の機会が少ない、評価の観点が分かりにくいという狭き門でした。12月20日の筑波小の合格発表まで今年の入試の生徒さんを見守らせていただきましたが、試験での合格をいただいても抽選に通らず残念でした。その他の方は、皆さん私立小に進学されます。「楽しかった」と受験を振り返ってお話ししてくれたご父兄もいました。それを聞いて大変うれしく思いました。
私としては大変忙しい1年でしたが、まだやっておくべきことが残っていたという感想です。それは幼稚園受験のご父兄に対する両親面接と、全ての生徒さんに対しての直前の志望校面談です。何度も行いましたが、注意点や最終のアドバイスをさらに出来たらと思いました。レッスンで目一杯になる秋ですが、今後の課題です。
幼稚園受験は母子分離とお話しが聞ける態勢作り、小学校受験もしかり、泣かないのは当然ですが精神的な母子分離必須です。親から離れて受験をして、勝負ができる子は自立した子供です。そうしなくてはいけないのです。その上で、一番良いところを発揮して欲しいのです。
課題は最後まで課題として残り、入試の場面でさらされることが多いのです。ペーパー力は最低の基本的条件、それからが子供本来の実力です。そこを普段の生活から見直して、力をつけていただきたいというのが実感です。課題を改善することが合格の早道です。幼稚園17校・小学校40校合格、今年も精一杯皆さん頑張ってくれました。
来年も「自立」をモットーに、さらに志望校に向けて頑張っていきたいと思います。
2009年12月31日 室長 矢崎絵美 |