■慶應スピリットに触れる
慶應義塾の一貫教育が常に目指しているの は「時代の変化に対応した全社会の指導者の 育成」にあります。そのため、「未来の先導 者」として歩んでいくために国際社会に影響力と発言力を持つトップリーダーとして、オープンでグローバルな学塾を目指し、世界水準で様々な取り組みを展開しています。
どの時点での入学試験でも最難関校の一つである慶應義塾の一貫した教育を大学まで受 けられる最初のチャンスとして幼稚舎受験を 考えていらっしゃるのであれば、具体的な対 策以前に慶應義塾に長い年月、隅々まで、 脈々と受け継がれている福澤精神を、慶應ス ピリットを受験準備の早期の時点で認識する必要があります。何故ならば、オール慶應の中でも御命日には御墓まいりするなど、福澤 先生のお教えが日々の教育の中に明確な理念 として掲げられ、最も浸透しているのは幼稚舎であるからです。
■願書記入の重要さを考えるここ数年、願書の自由記入欄の下、11行 内に、「お子さまを育てるにあたって『福翁 自伝』を読んで、感じることを書いて下 さい」とあります。父母面接を実施なさらな い代わりに、ご家庭の学校に対する共感度や子育て感を文面から推察なさる意図だとする と、他校が面接時の参考資料とする以上の重 要な意味合いを持つと考えるべきで、塾員でなくても福澤先生関連の書物を日頃から精読 し、「なぜ、慶應なのか」をご家庭の教育方 針と合わせて、検討しておく必要があると思 います。
舎長の加藤三明先生は幼稚舎生に、低学年生にはまんが伝記シリーズ『福澤諭吉』を、中学年生には文字によって書かれた伝記、そして高学年生には、北康利著の『こどものため の偉人伝 福沢諭吉』を、また本が好きな6年生には『福翁自伝』を、保護者に対しても 『福澤諭吉が生きていたら』等を読むことを 推奨しています。また、『三田評論』の「福澤諭吉と家庭教 育というテーマの対談のなかで、「家庭の 役割」として“本来人間が生きる上でベー スとなる大切なことで、何でも食べられると か、ご飯を作れるとか、自分でちゃんと片付 けができるとか、長く歩けるとか、トンカチを使えるとか、紐を結べるとか、そういうこ とを家庭でちゃんとやってほしい”と述べら れ、それは『福翁自伝』を読むと、福澤先生の子どもの頃にも共通したご様子があります。
■入試で試そうとしている事 幼稚舎での教育方針が福澤先生の考え方、 生き方に基づいている以上、考査に対しても その方向性を貫き、合格基準も、慶應義塾のスピリットを継承できる、幼稚舎生にふさわ しい品格のある資質を育んでいらっしゃった ご家庭のお子さまか否かを見極めることにあ ると考えられます。
■合格の可能性を高くするためには 幼稚舎に塾員でもなく、舎中でもないご家庭 が「合格」できた、特にそれが女子のお子さま である場合、共通して彼らに感じることは、精神的にも、身体的にもバランスが取れていて、 もはや、幼児性から抜け出ていらっしゃる様子 があることです。
幼稚舎教育の根幹は、一貫教育の礎となる学校 として、「自分はこれをやりたい」という内側 から湧きあがってくるパワーを持つ児童を育てることにあると思います。従って、受験準備の期間にご家庭でもお子さまと相談し、朝起きたら、 幼稚園に行く前までに家の回りを3周走る・・・のような自分の目標を定め、一旦決めたら、どんなことがあっても(雨の日は傘をさしてでも)やり抜く精神的な強さをつくることを、親も妥協しないでお子さまに向き合う姿勢を一貫して家庭の 方針として実行なさることをお勧めいたします。 「幼稚舎新聞」で発表される縄跳びの色々な種目の記録達成記事に当会卒業生たちがトップに名を 連ねていることがある時、読書感想絵で賞を取った記事とその絵を見た時、『仔馬』に文章が掲載 されているのを見た時、彼らと共にした受験準備の方向性が間違っていなかったことに安堵する思 いです。 試験内容がどんなだったか、どんな傾向だったかなどを分析し、精査して対策を取ること自体は 大して難しいことではありません。一番難しいの は、お子さまを幼少時なりの自立・自律度を如何に高めさせ、試験場に送りだせるかです。それに は、まずは「個」を磨き、集団になった時にその中で精彩を放つことに尽きると思います。 年中さんから受験のために教室に通っていて、 どんなに、絵や工作や体操が上手でも、「指示」を守れなかったら「合格」はできません。幼稚舎の廊下の飾り物(大きな鷲のはく製など)に見とれ ていると、幼稚舎で例年、試験時に受験生に約束させる3つのことの一つの「走らない」を、 列の前があいてしまうと、ついつい「走ってしまい」 大事なことを看過してしまうことになるのです。
学校説明会で「特別な入試対策は必要ありません。ありのままの姿をみせていただくだけで す」との舎長先生のお言葉はともすると解釈を 間違えがちですが、福澤先生が自身のお子さま にあてた『ひゞのおしえ』をお読みになると、「独立自尊」につながるお考えが分かり、幼少時に親が子に成すべきことは何なのかを考える一助になります。
慶應義塾幼稚舎を攻略なさりたいご父兄へ 2,000名以上の応募者の中から選ばれる!!ためには どうしたら良いのか?と誰しも思われることでしょう。 沢山の中から選ぶ時、それはやはり、「何か他と違う」と評価されることにあるでしょう。
では、「何を他と違えるか」と考えた時、考査内容だけから 見ると、絵画や工作の領域の攻略と、体操や指示行動の領域の攻略の2つに大きく分けられるでしょう。
タンポポ会の幼稚舎に合格者の受験対策時の仕上がりはほと んどのお子さまが素晴らしい絵を描き、紙1枚で何かを作り上げ、 体操やダンスもとても上手でした。作品に対して、質問を受けた時に、きちんとした態度で受け答えもできていました。「合格」 できた時の多くのケースの場合、試験終了時にお子様から「何人もの先生がいらっしゃって、いろいろ聞いてくださった」と報告 を受けています。初めての出会いの中で、短い時間の中で、 「何か」を「誰よりも輝いて見える」ようにさせる対策が必須に なります。その「何か」はお子さまの特性にありますので、早くその特性を見極め、実践することが攻略につながります。 |